| ローマ人の物語〈35〉最後の努力〈上〉 (新潮文庫) | |
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ディオクレティアヌス帝の時代。これまでのローマは蛮族の略奪や皇帝が殺害等で目まぐるしく変わる混迷の時期だった。ようやく彼の時代になって安定を取り戻すのだが、それと引き替えに巨大な軍隊や官僚組織を必要とした故に、後世に負の遺産を残すことになった。とは言え、初期帝政のような歩兵中心の軍隊で統治できる時代でなくなっていたのであろう。巨大な帝国を維持するのは困難になりつつあったのかも知れない。ディオクレティアヌスはその時代に合わせた政策を採ってきたはずで、その時は巨大な浴場を建設するほど国力はまだ充分にあった。その時は良くても、あとになって負の遺産がと言われる。政治の難しさを感じる一幕である。
著者も触れられていたが、初期帝政を小さい政府とすれば、このディオクレティアヌスの時代は大きな政府の時代。今のご時世と若干被る。
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筆の衰え
ローマ帝国がローマ帝国らしさを失っていく